オーカーン様、散る。
爆散、オーカーン様
春のトーナメントからグレートオーカーン選手が姿を消した。
大一番に弱いイメージを内藤選手との一戦で覆してからちょうど一週間のことだった。
矢野選手はコミカルでありながらも技術力が光る試合で厚い支持を得ている。
オーカン選手を応援している私としては矢野ワールドにそって試合を始めた時点でまずいと感じた。
矢野選手の土俵で勝負して勝つというのは非常に難しいからだ。
29回目のG1クライマックス、無敗状態であったモクスリー選手がテーピングによって場外リングアウトになった試合が頭から離れない。
矢野選手にとって相手の勢いや強さはどうだっていいのだ、彼の持つ世界観の中にさえ引っ張り込んでしまえば勝ち筋が見えてくるのだから。
そこにあえて突っ込んでいったオーカーン選手は
- テーピングで自らの手を拘束させる
- コーナーパッドで殴打することを要求
- リング状に寝そべり場外の矢野選手を誘う
- KOPWのトロフィーを破壊すると脅す
- 握手を要求する
等々、自分のペースで試合を進めるべく様々な策を講じたが結局のところ底なし沼に飲まれてしまった。
矢野選手の靴をなめるからという発言に気をよくしたアイアンクローを解除したところへ矢野選手の丸め込み。
怒りながら再度アイアンクローを繰り出したオーカーン選手だったが矢野選手もアイアンクローで応戦。
力で勝ったオーカーン選手が抑え込むもカウントツー。
なおも突っ込んでいったオーカーン選手に対しロープを下げてリングアウトさせた矢野選手が辮髪を鉄柵に結び付ける。
正直なところ筆者はこの瞬間オーカーン選手の勝利を諦めた。今大会の推し選手は二回戦敗退だ...と思った。
それだけ「YTR×鉄柵×拘束」の方程式は黄金パターンなのだ。
着々と進んでいく場外カウント、ここまでかと思ったその瞬間。
オーカーン選手の手にハサミが!
いける。筆者は非常に単純な人間である。自慢の辮髪まで切り落としたのだ、いわば禁断の技を抜いたのと同義である。
オーカーン選手の覚悟に勝利を確信した。
ドミネーターを決めて二回戦突破だ!と思った矢先、筆者は絶句する。
リング上のオーカン選手の手にハサミが!!
それはダメ。凶器を持ち出すのは人としてまずい。だがそれ以上に対矢野選手という状況で頭に血が上るのはもっとまずい。
案の定ハサミ攻撃を回避されたオーカーン選手は急所攻撃を受けスリーカウント。
まだ開花も迎えてないサクラより一足早くグレートオーカーン選手は散っていった。
コミカルもいけるのか
正直二回戦負けしたことに関しては残念だがオーカーン選手のオールラウンダーぶりが発揮された一戦だった。
NEVERのゴツゴツしたファイトスタイルもあればKOPW的な試合もできる。
試合に負けて勝負に勝ったというところだろうか、オーカーン選手の良い部分がどんどん見えてくるのだ。
これからオーカーン選手がどういった身の振り方をしても筆者は楽しみで仕方がない。