プロレスにはまった
この記事を読んでいる皆さんの周りにもプロレスが好きな人が一人はいるんじゃないでしょうか、暑苦しくてうるさくってどこか近寄りがたいプロレスが趣味の人。そんな近寄りがたい人たちに最近仲間入りしてしまった僕が、自分がなぜプロレスにはまったのかを整理するためにつらつら書いていきます。
ピープルズエルボー
はじめてプロレスの試合を通してみたのはホーガンとロックの試合だったと思います、いまや俳優として有名になったロック様の試合。大男が二人、バチバチやりあう迫力と観客の放つ熱気にやられて目が離せなくなった。この試合で何よりも頭から離れないのはロックのフィニッシュ技「ピープルズエルボー」だ。ロックが肘のサポーターをリング外へ放ると観客は割れんばかりの歓声をあげる。左のロープに向かったロックはリング中央に倒れたホーガンをまたぎ右のロープへ。すかさずホーガンのいる場所まで反動を利用して戻り、倒れこみながらエルボーを打ち込む。
合理性なんて全くない、効率的にダメージを与えるならホーガンをリングで寝かせた後、その場でエルボーを繰り出せばいいのだから。それでも僕はかっこいいと思えた。
でもWWEを追おうとは思わなかった、理由は定かじゃないが言語の壁や周囲にプロレスに詳しい人がいなかったのが原因ではないかと思う。
飯伏とオスプレイ
たぶんプロレスの沼に足を突っ込んだのはこの二人のおかげだ。
雪崩式ジャーマンを仕掛けられたオスプレイが勢いを利用しノーダメージで窮地を切り抜けたシーンをツイッターで見かけてなんだこれは!と驚かされました。オスプレイのすさまじい身体能力と飯伏の顔芸、ミラノさんの悪魔みたいな笑い方が癖になり一日一回は動画を見るようになった。
次第に僕のyoutubeに新日本プロレスの煽り動画がオススメされ始める。それからは怒涛の勢いだった。いろんな煽りVを見ていくうちに選手の名前を覚えて興味がわいてきた。気になる試合もぽつぽつストックされていった。それでもワールドに契約して試合を視聴することに踏み切れなかったが
この試合が見たくてたまらないと思ってしまった。新日本プロレスワールドにお金を払うことを決めた。
くねくねした変態と路上でプロレスしちゃうやべーやつの試合が見たくてたまらなかった、カオスは人を惹きつける。
BOSJ27、プロレスは点じゃない
新日本プロレスワールドに加入してから初めてリアルタイムで見たのがG1クライマックスのSANADA vs EVIL戦だったが、もう優勝決定戦も近くシリーズを最初から追うことはできなかった。だからBOSJとWTLが大きな大会を1から追えた初めての大会になる(WTLは途中で離脱した)。
ド派手で目立つことが上手なヒロム、盤石の王者石森、大暴れする田口監督、ケレン味あふれるマスターワト、技の高島屋DOUKI、膝攻めテクニシャンロビーイーグルス、マスクが光りまくり美しいトペを使うBUSHI、スピアーのキレがすごすぎるSHO、フレッシュで応援したくなる閂スープレックスの使い手上村、そしてデスペラード。十人全員が好きになった。優勝決定戦に出られる選手が絞られていく、その中でも僕にはデスペラードがひときわ輝いて見えた、悪役でありながらも観客の感情移入を誘い、試合に勝つとガッツポーズを決めながら雄たけびをあげるシーン(SHO、BUSHI戦)が心の底からカッコイイと思えた。決勝には彼と高橋ヒロムが進出した。
BOSJ27の決勝戦を僕は一生忘れないと思う、なぜか?涙が止まらなかったから。アイデンティティであるマスクを引き裂かれても残ったマスクを投げ捨てて応戦し、素顔をさらしながら一歩も引かなかったデスペラードの姿勢に心が揺さぶられた。試合に勝ちたい気持ちが画面を挟んでこちらに伝わり圧倒された。悲しいでもなく、悔しいでもなく、嬉しいでもない、定義できない謎の感情によって涙が止まらなかった。応援していたデスペラードは負けてしまったけど気分は良かった。なんて素敵なエンターテインメントに出会ったんだろうという充足感があった。
もちろん点で見てもプロレスはすごい、僕の例ならロックのピープルズエルボーや飯伏オスプレイの着地のシーンだったりといったのが点。一方でBOSJを見て味わった感動は線としてのプロレスの楽しみ方だと思う。煽りあいを見たり、選手同士の関係性を深く知ることでグッと面白さが増す。観戦歴が長くなるほどそういった楽しみ方が出来そうでワクワクしている。三上と広夢のことを表面的にしか知らなくてもあんなに僕の感情は動いたのだから。
今現在、間違いなく僕の中で一番すげぇのはプロレスなんだよ。