オスプレイの春
ウィルオスプレイ選手の優勝で幕を閉じたニュージャパンカップ2021、彼の優勝について疑問がある人はほとんどいないんじゃないか。
そう思わせるだけの強さを見せつけたオスプレイ選手。
彼は今、大きな勝負に出た。
試合の仕方にしても精神的な部分にしても。
たたんでいた翼
ニュージャパンカップが佳境に向かっていくにつれてオスプレイ選手がハイフライヤーとして試合に臨んでいた頃のようなファイトスタイルに回帰していったように思います。
ヘビー級転向後は随所に跳躍力を感じる動きこそ見せるものの「空の王様」と呼ばれた頃の別次元からやってきたとしか形容できない動きはそぎ落とされていった印象。
大きくなった肉体へ過負荷をかけないために封印したのだと一人合点していたのですが僕の読みは浅かったみたいです。
オスプレイ選手は飛ぶことを「代名詞」から「極上のスパイス」に変えたのだと思います。
一度習得した技術はなかなか体から抜けていきません、オスプレイ選手にとって空中殺法は一生忘れることのないスキルでしょう。
であれば地上戦の経験値を上げてしまうのが最強のレスラーを目指すのには手っ取り早いと判断したのではないでしょうか。
現在のオスプレイ選手は地上戦で多くの相手を圧倒できる選手でありながら空も飛べる第二形態をもったレスラーと化した。
真っ向からやりあって勝てる算段のない完全体になったオスプレイ選手。
この大会で「ベルト挑戦格の選手」から「ベルトにふさわしい選手」へと覚醒した印象を受けます。
さようならビー
最近のオスプレイ選手とビープレストリー選手には細かい不和が見て取られた。
試合前にキスをすることもなくなりちょっとずつ距離が出来ているなと僕は受けとっていた。
鷹木信悟選手との決勝でも「協力」というよりは「利用」するような動きが散見された。
何かしらの動きを見せるのだろうと思っていたのですが、まさかオスカッターを食らわせていくとは。
新しい何かを得るために古くからの大事な何かを遠ざけてしまう。
迷いを断つための行動だと思いますがそれは強さか、はたまた独りよがりか。
SNSなどでは飯伏選手サイドにビー選手をスパイとして送り出すためのブラフではないかといった憶測もあります。
ただ退場するときのオスプレイ選手、表情に覚悟が見て取れました。
もう後戻りできないといった雰囲気からビー選手はユナイテッドエンパイアから追放で間違いないでしょう。
見る者の目を釘付けに
オスカッターをビー選手に仕掛けた後の会場の空気は異常なものでした。
EVIL選手に代表されるヒール殺法を行って勝利した後に訪れるしぃんとした空気とはまた異なる空気。
僕も観戦していて頭が?で覆いつくされたのは事実。
一方でテーマ曲が流れる中、トロフィーを抱いて会場を後にするオスプレイ選手の
一挙手一投足から目を離せない強烈な魅力を感じたのもまた事実です。
不確かなことは。
ビー選手を切り離した行動が正しいか否か。
一方で確かなこと。
名実ともにオスプレイ選手がトップクラスの選手であること。
もうユナイテッドエンパイアからは目が離せないこと。
NJC2021、MVPは間違いなくウィルオスプレイ選手だということ。